赤ちゃんとお母さんのために走りたい

岐阜大学産婦人科 桑山太郎

僕はもともと会社員の父と、保育士の母のもとに産まれ育ちました。
最初はごく漠然と医者になりたいとの夢はありましたが、具体的に産婦人科ということは特に意識していませんでした。
むしろ、ブラックジャックやら医龍やらをよくみていましたので、医者への憧れというのは割とありきたりのきっかけでした。
 
おそらく、僕が産婦人科医を目指したのは研修医になったくらいからだと思います。
医者になると、どの科に行っても必ず『救急疾患』というものに遭遇します。
例えば、循環器内科であれば急性心筋梗塞、脳外科であればくも膜下出血。
皮膚科だと重症薬疹、眼科だと急性緑内障発作などです。
僕が学生の時に救急医療の講義で教授が『何科に行っても必ず救急疾患があります。それを診療することを避けられません。もし、救急疾患をみたくなければ医者になることをやめてください。』といったことを鮮明に覚えています。
産婦人科の場合、分娩一つ一つが予定された救急疾患のようなものです。また、その特徴として、一分一秒を争うことがあることです。
 
僕が研修医の時、救急外来で夜間当直をしていたら産婦人科の部長の先生から声がかかりました。どうやら、常位胎盤早期剥離の母体搬送があるから人手がほしいとの依頼でした。
搬送が到着するや否や、全力で手術室へ移動し30分もたたないうちに赤ちゃんが産まれそしてすぐに泣いてくれたのを覚えています。
その時に、もし今後全力で走らなければいけない時が来た場合、自分も新しい赤ちゃんとお母さんのために走りたいと思うようになりました。
これはほんのきっかけですが、僕が産婦人科を目指し始めた理由です。
 
御存じのとおり、今岐阜県の周産期医療は非常に厳しい状況に立たされています。
とうとう県議会では産婦人科医確保のために補助金を出す案が出たそうです。このままでは岐阜県で安心して分娩できる場所がどんどん減ってしまうのは紛れもない事実だと思います。
もちろん大変なことがたくさんありますが、それ以上にやりがいのある場所です。
僕たちと一緒に頑張ってみませんか。

夢プロジェクト「ぎふの産婦人科医の魅力」岐阜県、産婦人科医、医学生向けイメージ01
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