1つの卵子を大切に

おおのレディースクリニック 副院長 大野 元

1978年、世界初の体外受精児が誕生し、2010年、エドワード教授が体外受精技術によりノーベル賞を受賞しました。体外受精技術は次第に簡素化し、腹腔鏡採卵から膣式採卵へ移行、また自然選別された卵子の質が良い事がわかり排卵誘発剤も減少傾向です。
 新生児27人に1人、これが現在日本の体外受精児の割合です。ノーベル賞の技術では最も簡単に臨床応用できます。医師、看護師、胚培養士の3人居れば採卵でき、費用も20〜30万円です。ちなみにiPS細胞臨床応用には数千万かかります。
 「1人1人の胎児を大切にする」周産期医療、「1つ1つの卵子を大切にする」生殖医療、どちらも産婦人科医が関わらなければ成り立ちません。体外受精患者は平均40歳と高齢化しています。全員が妊娠する訳ではなく葛藤もありますが、着実に岐阜の人口を増やしているという手応えを実感しています。
 1日1人増やす、1日休めば1人増えない、そんな使命感に燃えて続けています。

夢プロジェクト「ぎふの産婦人科医の魅力」岐阜県、産婦人科医、医学生向けイメージ01
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